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耳を寄すしぐさはつなつクーラーの全然効かぬライブハウスの
耳を寄すしぐさにかえす手を添えてなんと言ったかはおしえません
出会ったことがなるべく淡くなるようにガヤガヤにまかせ
23歳
中近距離に主に依りたい
感謝感謝と人殺めたり
頭を叩く
景物も信じるに足らない零距離の夕暮れ俺が寒くなること
知らぬ手が僕の煙草を一口吸った楔型文字のように親密
ミラーボール
清浄な皮膚に汗盛り上がっててどうしようもなく敵対してた
記録に残らない恋がいくつか
省略の傾向
醜くてとてもよい
助けなかった歴史
誰もきみとはなかよくならない
俺の中の家父長制よ給料日じっとできずにギシギシしけり
浴槽
澱んでて切ないののみ見ゆ
俺もときには誰かに怒ってみたし
孤心やつれて蔦絡むまま目覚めたり二度あることの三度目あたり
ああ恋がしたし安易な恋がしたし迷惑メールに全部返事す
予報どおりに雨は降りくる